授業公開[高校英語]
私たちの指導を「実例」でご紹介します。
課題は実際に提出した一品モノです。
このように私たちは、生徒ひとりひとりの要求に合わせて丁寧に指導しております。
どうぞご覧ください。
「英語でプレゼン」学校での授業
高校の英語科目:英語表現では、英語でのプレゼンテーション(作成と発表)を提案しています。この課題に取り組む学校は多く、生徒にとっては英文を作成する良い機会です。教科書には例えばこのように記述されています。数ページに渡っており、具体例やさまざまな表現が並び、「英語でプレゼン」に力を入れたい思考が伺えます。
内容、表現力、発音と広く英語力を測ることができ、そのまま評価に繋がります。暗唱させる学校もあり、この場合、我が精鋭アメリカ人講師に読み上げてもらい録音し、抑揚、息継ぎを真似て練習します。作品例と講師の音声も可能な範囲で公開します。私たちの授業の流れや雰囲気を知っていただき、これはそのまま4技能習得訓練の一部となることを認識いただければ幸いです。
高校:英語表現Ⅱ[英語でプレゼン]
M張総合高校での課題です。お題:「他の生徒に紹介したい自分の好きなもの」
この「英語でプレゼン」はどの学校でも行われています。突然書け、というわけではなく、教科書には具体例や、さまざまな表現が並び、一通り学習します。その後の課題です。
生徒にはこの教科書および先生の指示に従って、ある程度書いてもらいます。英文が書けなければ日本語でOK。以下は生徒の作ったマッピングシートです。
- 序論 聴衆への呼びかけ:hello, everyone.
- トピック:Today I’d like to talk about “アニメ映画:時をかける少女."
- 注意を引くために:This is my favorite movie. It is very interesting.
- 本論 具体点:To start with, please take a look at two pictures. +あらすじ
- 原因や理由:このアニメの作画には、私たちの学校が使われている。Our school is used for this anime.
- まとめ:All of us have to watch this movie. It is fun. Thank you for listening. どうしても見て欲しいです
ほとんど日本語ですが、本人の(少量の)英作文を尊重しつつ、英文にしていきます。
まず、この映画は輸出していることから、海外向けDVDパッケージを探し、英語のタイトルやあらすじを見つけました。
The Girl Who Leapt Through Time
(時をかける少女)
A high-school girl named Makoto acquires the power to travel back in time, and decides to use it for her own personal benefits. Little does she know that she is affecting the lives of others just as much as she is her own.
(女子高生まことは、自分に過去へ戻る力があると気付く。自分だけのためにその力を使い始めるが、それが友人の人生にまで影響を及ぼしてしまうことなど知る由もなかった。)
これはそのまま拝借します。DVDのプロモーション部分ですから十分でしょう。Little does she knowという倒置表現を習ったばかりなのでタイミングも最適です。
「見て欲しい」は I recommend it. (おすすめします)「どうしても」は「強くオススメ」でしょうから strongly を入れ「おすすめする理由」は学校が使われていることですから合体します。
I strongly recommend it because our school is used for this anime.「作品に登場する」という意味がis used にあるか微妙です。ここは保留しました。
All of us have to watch this movie. It is fun. これについては、もう少し柔らかい勧誘表現を探してもらいました。Lesson10に、この映画を「ぜひ見てください」You should see it! があったので採用します。またこれは過去の作品です。見るためにはレンタルするか配信されているものを見るしかありません。そこも表現したい、とのこと。保留します。
作成したDraft writing(下書き)がこちらです。(実際は手描きですが文字に起こしました)
さてここで登場するのは我が精鋭アメリカ人講師です。適切な表現を知り、修正してもらい、仕上げてしまいましょう。具体的な内容をじっくり説明し、まずは表現したい内容を分かってもらう必要があります。(実はここが一番苦労するところです。真意を伝えなければなりません。ここでもコミュニケーション能力を獲得!) 保留部分もネイティヴに仕上げてもらいます。
まったく違う文章が出来上がりました。(実際の訂正は手描きですが文字に起こしました)では順を追って確認していきましょう。
Today I’d like to talk about a movie.(ある映画についてお話しします) Today I brought pictures of my favorite movie to show you. (お気に入りの映画を紹介するために写真を持参しました)今回のプレゼンでは写真を提示することから、一文目で訂正を喰らいました。
To start with, please take a look at two pictures. (はじめに2枚の写真を見てください) This is one of my favorite movies. Let me tell you about the story.(これは私の大好きな映画の一つです。ストーリーを紹介します。)他に好きな映画も一杯ありますから one of ~s を使い、「これから〇〇します」→ “Let me 〇〇" を使ってそれぞれを分離します。
our school is used for this anime(アニメに使われています) the stage of the movie is our school(作品の舞台は私たちの学校です)stageが丁度いいそうです!
次は今回最大の収穫です。
You should see it on DVD or online. (DVDかネットで見てください) Please go see this movie. (まったく同じ意味:DVDやネットで見てください)go see the movie は「映画館へ映画を見に行く」だけでなく、過去の作品をDVDやらネットやら手段を問わず見る、という意味を含むそうです。大変勉強になりました。似た表現にgo see a doctor(医者に診てもらう)があります。会話で使えますね。
I promise you’ll enjoy it!(きっと楽しんでいただけると思います!)を追加。最後はfun や interesting ではなく enjoy でした。英語はyouが主体のため自分の感想を述べるのでなく、楽しむ「あなた」に照準を合わせた文であり、面白いかどうか判断するのも「あなた」ですから。
Hello, everyone. Today I brought pictures of my favorite movie to show you. The original title is “Toki o kakeru shojo." The English title is “The Girl Who Leapt Through Time." This is one of my favorite movies. Let me tell you about the story.
A high-school girl named Makoto acquires the power to travel back in time, and decides to use it for her own personal benefits. Little does she know that she is affecting the lives of others just as much as she is her own.
I strongly recommend it because the stage of the movie is our school. (ここで写真を紹介) Please go see this movie. I promise you’ll enjoy it! Thank you for listening. (123語)
1分から1分20秒に収まる丁度いい語数です。やはり日本人による英作文ぽさが抜けててイイ!ですね。訳を添えようと思いましたが、微妙なニュアンスが抜けるのでやめておきます。
また、まさかのDVDパッケージへの修正が入りました。 benefits → benefit 不可算名詞扱いが自然で、もちろん複数の意味がある、ということです。
you’ll enjoy it は「おもしろいと思います」に相当する文ですね。日本語と英語が真逆の表現をしていますから、それこそおもしろいですね! 丸ごと覚えちゃいましょう。I think it is interesting. など決して言わない(書かない)ように。
さてさて素晴らしいプレゼンが出来上がりました。こんなに短い文章でも、学ぶことが大いにありますね。
(後日談:次回から「先生も知らない表現かもしれない」と思って作成せねばなりません。突っ込まれても、ここは素直に先生の指示に従いましょう。これが非認知スキルです。)
高校:英語表現Ⅱ[英語でプレゼン]
これは船橋KM高校での一風変わった課題です。お題:「15万円の予算で先生が休暇を過ごす方法」
をプレゼン(3分)します。なんと担当の先生は、実際に15万円の予算で独身最後の休暇を過ごすからその方法を本気で求めているのだそうです。これなら生徒も真剣に考えます。いい先生ですね! 普段の授業を聞いている人は、先生の趣味や嗜好が脳裏にあって書きやすいかもしれません。
この「英語でプレゼン」はどの学校でも行われています。突然書け、というわけではなく、教科書には具体例や、さまざまな表現が並び、一通り学習します。その後の課題です。
作成するにあたり、この生徒は英語が好きで、ある程度書いてきたため、じっくり話を聞いたのち、アメリカ人講師と同席して修正に臨みました。生徒の作成したDraft writing(下書き)がこちらです。(実際は手描きですが文字に起こしました)
旅行は好きですか。何か国訪れたことがありますか。6か国ですか? でもロシアには行ったことが無いでしょう。日本ではメジャーではありませんから。ロシアに行ったことのある友人は私にはいません。ところで、安倍首相は時々プーチンに会います。北方領土について・・日本に来ます。これを知ったとき、名案が思い付きました。ロシア旅行です。ロシア料理は世界でも有数の美味しさだと聞いたことがあります。たとえばボルシチ、など。世界遺産もあります。ところで先生は英語を話せますよね。でもロシアでは英語が通じません。アメリカと戦っていたからです。ロシアではロシア語を話さなければなりません。また先生は旅行の計画が好きですよね。ロシア語を学ぶ時間はありませんよね。だからガイドつきのツアーをおすすめします。これは6日間で12万円です。世界遺産を見ることができて、ロシア語を話す必要もなく、美味しいロシア料理を食べることが出来ます。いってらっしゃい!このパンフレットをみてください。
訳は以上です。北方領土が登場し、冷戦時代の産物まで語り、とセンシティブな話題が入っており、面白いと思います。これをベースにすれば先生だけでなく、誰でも興味を抱くかもしれません。
さてここで登場するのは我が精鋭アメリカ人講師です。適切な表現を知り、修正し、仕上げてしまいましょう。具体的な内容をじっくり説明し、まずは表現したい内容を分かってもらう必要があります。(実はここが一番苦労するところです。彼に真意を伝えなければなりません。ここでもコミュニケーション能力を獲得!)
ロシアで本当に英語が通じないのか、ネイティヴ講師は首を傾げていましたが、非常に有意義な時間でした。(編集注記:ロシアでは現在、英語の教育が行われており、若い人なら英語でのコミュニケーションが可能です。また案内や看板にも英語の併記があります。)
では修正版を公開します。
ほぼ全体に修正が入りました。実際に言いたかった内容に変更した部分もあります。では順を追って確認していきましょう。
Today is nice weather. It’s nice weather today.(天気はIt’s~ですね)
Do you like trip? Do you like to travel?(to travel のほうが自然だそうです)
5?6? 5? 6? Good!(プレゼンでは、このとき必ずGood!を言うそうです)
have you been to Russia? I’m afraid not. have you ever been to Russia? Probably, not.(英語はyouが主体のため行くのは「あなた」であり(you have) probably not (been there)です)
My friends have never been to Russia. No one around me has never been to Russia.(ロシアへ行ったと聞いたことが無い、からの意訳で周囲に誰もいません、と表現)
Prime minister Abe sometimes met Putin. Prime minister Abe sometimes met President Putin at international conventions.(過去にG20などで会っていることから国際会議で会うと表現)
about Hopporyodo. to discuss the island to dispute with Prime minister Abe.(島の問題を議論するために、の意訳で領土問題について話し合うときに使われる表現だそうです)
I had a good idea. That is to travel in Russia. I had a good idea to travel to Russia.(このほうが自然だそうです)
And, Ms. N, you like to plan travel. You are too busy to study Russian and plan. But, Ms.N you’re so busy you don’t have time to study Russian and plan a trip.(ロシア語を学ぶ時間も旅行を計画する時間もないでしょう、の意味でこの表現は簡単なのに文法書には出てきません・この形は後述します)
This tour is about 120,000 yen for six days. Here is a 6-day tour for about 120,000 yen.(6日間12万円のツアー、の表現)
Look at these pamphlet. Please look at your brochures.(あまり耳慣れないbrochures(ブローショアと読みます)は案内書の意味ですが、look at と組み合ってよく使われる表現)
やや高等な表現があり、意訳(日本語→英語)としての見どころが多くあります。
Probably, not.(おそらく無い)や Absolutely, not.(ぜったい無い)は会話でもよく使う表現です。主体が「あなた」にあることを忘れないための重要な表現です。覚えましょう。
「領土問題について~と議論する」は discuss the island to dispute with~ これは難しい表現で「領土」に相当する言葉がありません。the island だけでは「島」の意味しかありませんが、discuss (議論する) と組み合わせると「領土問題を抱える島」の意味に変わります。
you’re so busy you don’t have time この形(You are … you ….)は英会話ではごく普通ですが、文法から学ぶ高校生には厳しいかもしれません。自分のことであれば、I'm busy I don’t have time.(忙しくて時間が無い)と言います。文法書には存在しませんね。平易な単語で簡単のはずが言えない表現、の典型例でしょう。難しいですね。ぜひ覚えましょう。
a 6-day tour for about 120,000 yen これも難しいですね。ツアーにまつわる表現です。TOEICを勉強し始めると、このような表現も知っていくのですが、高校生には厳しいと思います。
さてさて素晴らしいプレゼンが出来上がりました。しかし表現が上級レベルとなったのは想定外。また中1レベルの単語の組み合わせが、高校生であっても難解と再認識。まだまだ学ぶことが大いにありますね。
先生の感想には「とても良かった!でも私はロシア語を学んでから旅してきます!」と書かれていました。頼もしい先生ですね!
高校:コミュニケーション英語Ⅱ
[英語で紹介]
IH高校 お題:「自分の好きなもの」1分以内
ほぼ同じ課題が出されたため、その1での紹介例を参考にしました。今回はディズニー映画「塔の上のラプンツェル」です。しかし表現が大変難しい例でした。有名なシーンがこれですが、これをどのように表現しましょうか。
無数のランタンが夜空に高く舞い上がります。これはタイのコムローイという仏教のお祭りです。旅行者向けにも催されており、幻想的な景色を見ることが出来ます。これが「塔の上のラプンツェル」内のシーンで使われており、生徒の大好きな場面だそうです。我が精鋭アメリカ人講師と大変なやり取りをしながらの作成となりました。出来上がった作品がこれです。
Hello, everyone. Today I brought my DVD to show you.
The Japanese title is “塔の上のラプンツェル." The original title is “Tangled." This is one of my favorite movies.
In the movie thousands of beautiful lanterns flow in the night sky like balloons. This is my favorite scene in the movie. Actually, people in Thailand celebrate a festival with the lanterns going up in the sky. This scene is based on that festival.
So, how about going to see that festival in Thailand together?
今日はDVDを持ってきました。タイトルは塔の上のラプンツェル、オリジナルのタイトルはTangledです。この映画の中で、何千もの美しいランタンがまるで風船のように夜空へ舞い上がるシーンがあります。私はこのシーンが気に入っています。なんと実際にタイの人々はランタンを空へ放つというお祭りをするのです。それはこのシーンのベースとなっています。ですから、一緒にこのタイのお祭りを見に行きませんか。
今回は教壇で紹介するだけです。では順を追って確認していきましょう。
前半はその1でも使用した表現ばかりです。後半で難しいのが Actually, people in Thailand celebrate a festival with the lanterns going up in the sky. です。Actuallyは英会話での講師の発言によく登場します。会話の流れや展開によって様々な意味に使われ「実は」の訳だけでは済まされません。
今回のActuallyは「なんとまあ、このシーンが実在するのです!」という意味を講師に伝えて出てきた言葉です。訳では「なんと実際に」としました。これは最難関です。高校生は「驚いたことに」=To my surpriseやSurprisinglyを思い浮かべると思いますが、それを伝えた上で出た表現がActuallyでした。大変勉強になりました。
celebrate a festival は大変難しい。祭りは表現が本当に難しく困ります。日本での「神様(や自然界)に感謝してお祭りをする」となると表現の仕方は神の領域となります。そこで祭りはこのフレーズで覚えてしまいましょう。お祭りをする=celebrate a festival です。
with the lanterns going up はwith構文という高校で習う分詞構文の一種です。「~しながら」という同時進行を表します。「ランタンを空へ放ちながら」となります。
go to see~ は・・・ちょっと待ってください。「祭りを見るために、タイへ行きませんか」として
How about going to Thailand タイへ行きませんか/
to see that festival祭りを見るために/
のほうがしっくりきませんか。中学英語で十分表現できる。
残念ながら、今は「祭り」に焦点をあてていて、
festival in Thailand(タイのお祭り)
を見るのが目的だから、
go to see that festival in Thailandの方がよいとのこと。
難しいですが確かにその通りです。フレーズとして捉えなければなりません。
[go to see] [that festival in Thailand] を組み合わせるような、フレーズ毎に読む手法は、高校のコミュニケーション英語(科目名です)で3年間学びます。納得のいくものであり、大変勉強になりました。
当初は簡単だと考えていましたが、今回のDVD紹介は内容が大変難しいと感じました。まだまだ学ぶことが大いにありますね。
我が精鋭アメリカ人講師に読み上げてもらいました。